腰痛・肩こり予防に!今すぐ試したい正しい椅子の座り方と姿勢改善3つのポイント
学校や職場など、1日の多くの時間を椅子に座って過ごすことが当たり前になった現代では、腰痛や肩こりを抱える人が後を絶ちません。その背景には、長時間にわたって同じ姿勢をとり続けることによる、腰・背中への過剰な負担があります。
実は多くのケースでは、座り方を見直すだけで身体の不調が改善に向かいます。とはいえ、「正しい姿勢」の具体的な中身まで把握している人は、それほど多くないのが実情です。
この記事では、腰痛・肩こりを予防するための正しい椅子の座り方を中心に、姿勢をキープするコツや椅子の選び方まで幅広くご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
正しい姿勢でデスクワークをするメリット
長年染みついた座り方の癖を修正するのは、決して簡単ではありません。しかし、正しい姿勢を身につけることで得られる恩恵は、想像以上に大きいものです。まずはそのメリットを確認しておきましょう。
・腰への負担を軽減できる
椅子に座っているとき、人は無意識のうちに腰まわりの筋肉を使っています。正しい姿勢であれば筋肉への負荷は最小限に抑えられますが、崩れた姿勢では話が変わってきます。
間違った姿勢で座り続けると、筋肉だけでなく骨や神経にまで余計な負担が蓄積し、腰痛を招く原因となります。反対に、正しい姿勢を意識することで腰まわりへの負担が分散され、腰痛を予防することが可能です。
腰痛は悪化すると日常のちょっとした動作にも影響を及ぼす可能性があるため、「なってから治す」ではなく、「ならないようにする」という意識を日頃から大切にしましょう。
・目の疲れを軽減できる
仕事や勉強中に目が重くなる経験は、多くの方に覚えがあるのではないでしょうか。眼精疲労の原因としてはパソコンやスマートフォンの長時間使用、眼鏡・コンタクトレンズの不具合などがよく挙げられますが、座り方との関係も見逃せません。
パソコン作業中に画面をよく見ようと顔を近づけると、目と画面の距離が縮まり、目への負担が増します。また、身体全体に余分な力がかかっている状態も眼精疲労を助長します。姿勢と目の疲れは、切り離せない関係にあるのです。
・肩こりの予防・改善
正しい姿勢をキープできるようになると、肩こりの予防にも直結します。長時間同じ姿勢でデスクワークをすると、肩まわりの筋肉が緊張したままになり、血流が滞って肩こりを引き起こしてしまうのです。
慢性化した肩こりは、やがて強い痛みとなって身体だけでなく精神面にも影響を及ぼします。「たかが姿勢」と軽く見ず、日頃から座り方に気を配る習慣をつけておきましょう。
やってしまいがち!身体を痛める2つの「悪い座り方」
正しい座り方を確認する前に、まずは普段無意識にやってしまいがちな「悪い座り方」の代表例をチェックしてみましょう。

【NG】背もたれを使わず、前かがみで座る
パソコンの画面に集中するあまり、背もたれから背中を離して前かがみ(猫背)になっていませんか?また、お尻が前に滑り、背もたれの上部にだけ背中を預けるような座り方も要注意です。これらは骨盤が後ろに倒れ、腰や背中に局所的な大ダメージを与え、慢性的な腰痛を引き起こす最大の原因になります。
意外かもしれませんが、実は姿勢がよく見える「90°」も体への負担が比較的大きくなるので、正しい角度は後述するポイントでご確認ください。
【NG】足を前に伸ばして座る
「楽だから」と、両足を前に投げ出すように伸ばして座るのもNGです。足の裏が床から離れると、上半身の重さを下半身で分散して支えられなくなり、すべての負荷が腰に集中して腰痛を悪化させる要因となります。
さらに、この姿勢は「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉(ポンプ機能)を休止させてしまうため、血流が滞りかねません。
椅子のフチで太ももやふくらはぎの裏側が圧迫されることも重なり、脚のひどいむくみやだるさを引き起こす原因にもなります。
今すぐ見直せる!正しい椅子の座り方3つのポイント
ここからは、正しい座り方と椅子の調節方法を具体的に解説します。ポイントは3つです。一つひとつ確認しながら、ご自身の姿勢を少しずつ整えてみてください。
① 深く腰をかける
最初のポイントは、椅子への腰のかけ方です。背筋をピンと伸ばして浅く座る、いわゆる「モデル座り」は見栄えこそよいものの、重心が前にずれて反り腰になりがちです。よほどの筋力がなければ、腰から背中にかけて無理な力がかかり続け、腰痛につながってしまいます。
腰への負担を減らすためには、背もたれにしっかり当たるくらい深く腰をかけることが基本です。

- 深く腰をかけたまま背もたれに体重を預ける
- リクライニングは、背もたれが100〜110°になるよう角度を調整する
ランバーサポート(*1)が付いている椅子の場合は、腰が内側に反っている部分にぴったりフィットするよう調整してください。腰への負担をしっかり軽減する効果が期待できます。
(*1) 背骨のS字カーブをサポートする機能 特集記事 ランバーサポート付きチェア一覧

② 足の裏を床にしっかりつけて座る
2つ目のポイントは、足を床につけて座ることです。親指の付け根・小指の付け根・かかとの3点が床に安定して着いている状態が、正しい姿勢を維持するうえで理想的とされています。
座ったときにかかとがきちんと床に届いているかどうか、確認してみてください。かかとが浮いている場合、その椅子は体格に合っていない可能性が高く、太ももの裏側が圧迫されることで血行不良を招きます。血流が悪くなると、倦怠感やしびれといった不調が現れやすくなるため、注意が必要です。

- 座面の高さを膝の角度が90°になるよう調整する
- 奥行き調整機能がある椅子は、座面を前に出して太ももとの接触面積を広げる
- 膝裏に座面の先端が当たらないよう指2本ほど空ける
小柄な方やご自宅などで靴を脱いで座る場合、座面高を一番下にしても膝の角度が90°に届かないことがあります。そのような際は、フットレストを活用して調整するのがおすすめです。
フットレストには、足置き台タイプだけでなく、クッション性の高い「フットクッション」もあります。足裏を快適にサポートし、血行促進やむくみ防止に役立つだけでなく、正しい姿勢を維持しやすくなるというメリットもあります。デスク環境をより快適にするアイテムとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

③ 肩の力を抜いてリラックスして座る
3つ目のポイントは、肩まわりの脱力です。肩に力が入ったまま長時間座り続けると、背中・首筋・肩まわりの筋肉が硬直し、肩こりや首の痛みへとつながります。肘掛けの高さを調整して、肩に余分な力がかかりにくいポジションを探しましょう。

- 肘の角度が90°になるよう肘掛けの高さを調整する
- 肘掛けの向きが変えられる椅子は、自身の肩幅に合った角度に設定する
首や肩まわりには太い血管が集中しているため、周辺の筋肉がダメージを受けると肩こりや腰痛にとどまらず、血圧や自律神経にまで影響が及ぶ可能性があります。作業の合間にストレッチを取り入れるなど、意識的に肩の力を抜く時間をつくることもおすすめです。
また、首への負担をなるべく減らすためには、作業中の「目線の高さ」も重要です。ディスプレイを見下ろす姿勢は首に大きな負荷をかけるため、できるだけ目線は高め、理想としては真正面を向くように意識しましょう。ノートパソコンスタンドや外付けモニターなどを活用して画面の高さを上げるのが効果的です。

デスクの高さも一緒に見直そう【自動計算付き】
正しい姿勢を保つには、椅子の調整だけでなく、デスクの高さも重要です。
椅子の調節と合わせてデスクの高さも最適化できると、さらに快適な作業環境が整います。使う人の身長によって適切な高さが異なるため、近年は健康意識の高い企業を中心に「自動昇降機能付きデスク」の導入が広がっています。
椅子の高さ調整だけでは最適な姿勢を保つのが難しい場合、こうしたボタン一つで簡単に高さを変えられるデスクを併用することで、より身体に合った作業環境を整えることができます。立ったり座ったりを繰り返すことで、長時間のデスクワークによる身体への負担を軽減する効果も期待できます。
日本のオフィスデスクはJIS規格で高さ70cm前後が主流ですが、ダイニングテーブルは70〜72cm、海外製では75cmの机も多く見られます。使用するデスクやテーブルに合わせて椅子を選ぶ際は、調整が効く座面昇降機能があるものが良いでしょう。
その際、上述のとおり、正しい姿勢の基本である背「110°」、膝「90°」、肘「90°」の角度から大きくずれないように注意してください。
では、具体的にどれくらいの高さを選べばよいのでしょうか? 実は、身長をもとに最適な高さを知るための計算式があり、日本オフィス家具協会によって以下の計算式が公表されています。
あなたの身長を入力すると、最適な高さの目安がわかりますので、ひとつの参考値として活用してみてくださいね!
デスクワークはどうしても長時間になりがちだからこそ、日々の座り方が積み重なって身体への影響として現れてきます。まずは今日から、ご紹介した3つのポイントを一つずつ意識してみてください。 もし「今の椅子では調整が難しい」と感じたら、それは身体がサインを出している証拠かもしれません。中古品であっても、正しい機能を持つ椅子と正しい座り方を組み合わせれば、身体への負担は劇的に変わります。ぜひ、あなたの身体を支える「パートナー」となる1脚を見つけてみてくださいね。 最適なデスクとチェアの高さ

できるところから、少しずつ始めてみよう